何して働いてるの?と聞かれることがよくある。
キャバクラで働いているよ、と言うと、嫌な顔をする人が多い。
また、お客さんの中には「こんなところで働いて」と説教を始めるお客さんもいる。

夜の世界に偏見を持っている人って意外と多い。
悲しいことに、これも立派な職の一つだと理解している人の方が少ないのだ。

夜は危険で、汚いことがゴロゴロしている、と暗黙のルールがあるようにも見える。

確かに危険なことは多い。だがしかし、自ら危ない道に進まなければそれなりに回避できることもある。最終的には自分の気持ちが行動を決めるのだから。

自ら決めた行動の一つで、とある人は六億円をキャバ嬢に貢いだという。

キャバ嬢の嘘に気付かず、会社のお金を横領してまで彼女に貢ぎ続けた。それも約七年間もの間だ。
キャバ嬢は「白血病だ」「脊髄損傷だ」など次々に嘘をつき続けて、個人の口座にお金を振り込ませた。

さてこの事件、あなたから見ると、どちらが悪いように思うだろうか。

罠をしかけたキャバ嬢もキャバ嬢だが、ひっかかってしまった男も男。

まあ、このような事件は大きく取り上げられていないだけで、日常茶飯事だろう。
たまにこうしてニュースに取り上げられるから世間は一層冷たい目で見る。
世間様が、どちらに非があると考えているのかは分からないが、このように極一部の人間のおかげで、関係のない人間まで非難を浴びるのはもってのほかだ。

キャバ嬢はお客様を破綻させるために働いているのではない。
相手のことを考えると、六億円をも貢がせたキャバ嬢のようにはならないはずだ。

お客さんと自分と、良好な関係を築けてこそ気持ちの良い接客ができるのではないのだろうか。

キャバクラは一つの集団にも似ている。

お店というクラスに女のが在籍していて、お客さんはさしずめ学校体験にやってきた感じだろうか。
クラスの雰囲気を壊さないためにも、やはり自分本位な接客は避けたいものだ。

しかし、働いている以上はどうしても「お金」のことを前提に考えてしまう。

お金も大事だけど、それだけの寂しい嬢にはなりたくない。