氷(アイス)を入れる入れ物の事。
キャバクラやスナックなど水商売では、お客さんが座る席目の前のテーブルに、ボトルと氷と水と灰皿が4点セットで配置される。この際に、氷を入れて出す器の事をアイスペールと呼ぶ。

様々な形はあるものの、一般的にキャバクラで使用されているものは、ステンレス製の円柱型で持ち手が付いているものや、同じ円柱型でステンレスの周りを黒のプラスティックで覆い二重構造で氷を解けにくくしたもの、この2種類が多い。

 水割りを作る際には氷が必須となるため、キャバ嬢が席に着いたときには必ずアイスペールに氷を入れたモノが必要になるが、文字通りにアイスペールに氷をいれただけの状態では、キャバ嬢が水割りを作るために氷をつかめないため意味を成さない。
アイスペールには、トングとマドラー2酒類の小道具がセットになって客卓へ運ばれることによってようやく水割りを作ることができる。

アイスペールの中は、1cm-2cm上げ底になっている。
これは、溶けた氷が水となって底に溜まったときに、底に近い部分の氷に水が触れることで氷が解けやすくなってしまうことを防ぐ効果を狙ったものである。

店が忙しいときや、俗に言う使えないボーイさんがフロアを担当しているときには、アイスペールの交換頻度が低く、氷が溶け出してしまっている場合もある。
アイスペール自体が、中が見えない構造となっているためにボーイさんからするとまだ氷が入っているのか、中が空っぽだったり、中が氷が溶けて氷水状態になっていないかチェックするのは難しいという側面もあるが、優秀なボーイさんがフロアを担当している場合や、スタッフ教育が行き届いた店舗では、マメなアイスペース交換で常にキレイな氷を提供してくれる。
これは、アイスペールの中身を確認しているのではなく、たとえば、最初の乾杯が終わったころに1回交換、その後は1セット毎に1回交換などと、ルールを決めているからである。

灰皿交換や席に溜まったおしぼりの回収など、目に見えるボーイさんの仕事とは違い、アイスペール交換や割物の補充など、外からは見えない仕事を、キャバ嬢からの催促を待たずに完璧にこなすことができるかどうかは、良い店と適当な店を見分けるポイントとしても使われる。