営業電話(えいぎょうでんわ)とは、キャバ嬢が、指名でお店へ遊びに来てもらうために、お客さんに電話する行為の事。
電話ではなくメールの場合には、営業メール(えいぎょうめーる)と呼ばれる。

キャバクラでは、一般的にお客さんの隣にキャバ嬢が座って接客を行うスタイルで営業を行う。
お客さんは自分を接客してくれるキャバ嬢を選べるのだが、キャバ嬢側は、指名客を1人呼ぶごとに○円バックが発生したり、指名客が使った料金の10%がバックとしてもらえたり、時給が上がったりなど、とにかく自分を指名してくれるお客さんが店に来てくれると、自分に良い事があるようなシステムになっているので必死にお客を探している。

固定客の付いているキャバ嬢は、自分の客の中から、日にちや曜日に合わせて来てくれそうなお客さんへ電話をして、一緒に店で遊ぼうと誘いをかける。この誘う行為が俗に言うキャバ嬢の営業であり、電話で誘った場合には営業電話、メールで誘った場合には営業メールである。

客側からすると、キャバ嬢から一言お店に来て欲しいと言われたところで、金銭の問題もあるので毎回毎回遊びに行くわけには行かない。
そこで、キャバ嬢側も、普段はあきらかに営業だとわかる内容を避け、キャバ嬢としての仕事を仄めかしつつも、『店に来てくれ』と直接的には伝えないメールで客と連絡を取り、客の方からじゃあ後で顔出すよ、と言わせる手法も一般的に行われる。
(例)
おはよー今出勤したよー。
これからお店向かってタクシー乗ってる
出勤したけどお客さんいないし超ヒマー
今日のドレス可愛くてお気に入りなんだ。
今日コスプレイベントだからゆううつ
今何してるん?

キャバ嬢が指名客を呼ぶと前述のように様々な特典がキャバ嬢にあるのだが、キャバ嬢が自分の指名客を呼ぶ理由には他にも様々な理由がある。

例えば、都心の店舗では自分を指名してくれるお客さんの売上を合計して、キャバ嬢達へ向けて売上ランキングを発表している店舗もある。
売上が上位になると、待遇など様々な面で他のキャバ嬢よりも優遇されたり尊敬の目で見られるなど一定のステータスを味わうことができる。
この要にプライドとして売上上位を目指すキャバ嬢も少なくない。ナンバーワンを目指して競うことからナンバー争いなどとも言われる。

又、指名を呼ぶメリットが目的ではなくとも、指名を呼ばないデメリットを避けるために、必死に指名客へ営業電話や営業メールを行うことも多い。
指名客を呼ばないと、予定出勤時間よりも前に上げられたり、希望のシフトよりも少ないシフトを入れられたりする事も多い。
これは、時給が高い以上、誰かを早上げしたり、誰かのシフトを削ったりして出勤状況を調整し、売上と給与経費のバランスを取るためにボーイや店長が行う必要な仕事ではあるが、
その削る作業の際に、店として利益を有む可能性の高いキャバ嬢を優先的に残していくということは、想像に易しい。
結果として、指名の呼べないキャバ嬢が早上がりさせられ、シフトを削られるということになる。
ただ、キャバ嬢は時給で給与を得ているため、早上げもシフト削りも、そのまま直結して自分の給与に響いてくる。
そのため、ナンバー争いに興味が無いキャバ嬢でもやはり最低限度指名客を探して店に呼ぶ努力が必要となる。

又、携帯のメールなど気軽に営業が掛けれる環境が整った現在では、キャバレンジャー1人に数人のキャバ嬢から営業メールが入ることもある。
その際に他店舗のキャバ嬢を押しのけて自分の店に来てもらうために、仕事中以外でも客とメールをやり取りし、関係性を深めておくと言ったマメなキャバ嬢も存在する。
キャバ嬢が仕事が無いオフの時間や、仕事が終わった深夜など、明らかにこの時間に営業を掛けても無駄とわかっている時間帯に、内容も店とは全く関係の無いものだったりもする。
客側からすると、キャバ嬢からの営業以外のメールが嬉しいものであるから良い印象を与えることになり、結果として後日の指名へと繋がっていく。

キャバ嬢が本当にプライベートでメールを送ってきているのか、プライベートを装った偽装営業メールなのかは、受け取る側のお客さんが注意する問題であり、慎重な対応が求められる。
一歩間違うと、お客さんを勘違いさせてしまうことになるので、キャバ嬢側でも注意が必要だ。