売れっ子キャバ嬢になるためには、より多くのお客様から本指名を受ける必要があります。しかし、人気が高まるにつれて避けられないのが「指名かぶり」の問題でしょう。
この記事では、キャバクラにおける指名の仕組みや指名かぶりがもたらすデメリット、さらにその対処法について解説します。接客に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。
キャバクラの指名には、本指名と場内指名の2つのタイプがあります。それぞれの違いを理解することは、キャバクラで成功を収める上で非常に重要です。
本指名とは、お客様が入店時に、お目当てのキャストを指名することです。指名後は1セットの間、そのキャストが席に着いて専属で接客を行います。お客様は、お気に入りの女の子を独占できるというわけですね。
ほとんどのお客様は、本指名のキャストを目当てに来店します。指名が多いキャストは稼ぎ頭として、お店でも大切に扱われる存在です。このため本指名を受けると、さまざまなインセンティブが発生します。
通常、これらの追加報酬は「バック」と呼ばれ、以下のようなキャッシュバックが一般的です。
本指名を受けることで、これだけの報酬が得られるため、指名の数を増やすことはキャストにとって大きな意義があります。
お客様からの高評価の証しである本指名は、キャバ嬢にとっては誇りであり、仕事のモチベーション向上にもつながるでしょう。
場内指名とは、お客様が席に着いてから指名する方法です。
フリー客など、ひいきのキャストを持たないお客様が行う指名で、通常3~5人のキャストが交代しながら接客を行います。
お客様は、その中で気に入ったキャストを、その日の担当に選ぶのが一般的です。席に着いていないキャストでも場内指名が可能ですが、近くで接客をした方が好感を得やすく、場内指名を受けるチャンスが広がるでしょう。特に、会話上手な女の子は人気あります。
場内指名でもキャッシュバックは発生しますが、本指名に比べると少額です。場内指名では、以下のバックが一般的です。
本指名のように、ボトルバックや売上バックは発生しませんから、収入を大きく増やすことは難しいでしょう。
そのため、場内指名を本指名につなげる努力が求められます。場内指名が多ければ、フリー客の席に優先的に回してもらえるので、本指名獲得のチャンスも広がるでしょう。
キャバクラの世界ではよく耳にする「指名かぶり」という言葉ですが、新人キャバ嬢には少しわかりにくいかもしれません。どのような意味なのでしょうか?
指名かぶりとは、同時に複数のお客様から指名が入る状況を指します。人気が高まるほどお目当てのお客様が殺到しますから、同時に指名が重なる経験も増えるでしょう。
指名が1人だけの場合は、1セットの時間内はそのお客様の接客に専念できます。
しかし、指名かぶりが発生すると、複数のお客様の接客を同時に担当する必要があり、それぞれのテーブルを頻繁に移動しながら接客しなければいけません。
このような状況ではじっくりと接客ができず、慌ただしい時間が続きます。お客様はリラックスして楽しむことができず、機嫌を損ねてしまうこともあるでしょう。
指名かぶりが発生した際は、お客様へのフォローが欠かせません。なぜ、フォローが必要なのでしょうか?その理由を見ていきましょう。
お客様の多くは、お気に入りのキャストと楽しく語らうひとときを過ごすためにキャバクラを訪れます。本指名は、そのようなお客様の満足度を高めるために存在する制度です。
しかし、せっかく本指名をしても、複数の指名が重なってしまうと、1セットで過ごせる時間が限られてしまいます。
お客様は、そのキャストと過ごす時間を楽しみに、お店まで足を運んでいます。仕事で嫌なことがあっても、「今日はあの子に会えるから」と励みにしていたかもしれません。
指名かぶりは、そのような期待に水を差すことになります。キャストが他のお客様と楽しく話している姿を横目で見るしかないのでは、ガッカリするのも無理はありません。
その結果、他のキャストに指名を変えたり、別の店に鞍替えしたりといったケースもあり、指名客を失う恐れがあります。
失望が大きすぎると、怒りへと変わることもあります。お目当てのキャストになかなか会えず、不満が高まるのは無理もないことです。特にお酒が入っていると、感情のコントロールが難しくなるお客様もいるでしょう。
「本指名で楽しい時間を過ごすはずだったのに、接客が少なかった」と感じたお客様は、次第に怒りを覚えます。「お金も時間も無駄になった…」と感じ、最終的にはクレームにつながることも。中には指名料の返金を要求するお客様もいるでしょう。
指名替えやお店離れ、クレームを防ぐためにも、指名が重なった際にはお客様へのフォローを忘れないようにしましょう。
まず、お客様を1人にさせないことが重要です。お客様が好みそうなタイプのキャストにお願いし、ヘルプとして接客してもらいましょう。
通常、指名かぶりが発生すると、黒服スタッフがヘルプの手配をします。しかし、常連さんの好みを一番理解しているのはあなたです。お客様好みのキャストにヘルプを頼めば、少しは気持ちが和らぐのではないでしょうか。
「自分が他のお客様の接客中も、少しでも楽しんでもらいたい」――そんな思いやりを伝えるためのフォローが欠かせません。
接客中に他のお客様から指名を受けると、黒服がそのテーブルに案内するために呼びに来ます。
その際に「わ~い、私って人気者♪」と喜び勇んで席を離れるのはNGです。「せっかく一緒に過ごしているのに、他の席に呼ばれるなんてガッカリ…」という気持ちを、できる限り表現しましょう。
少しオーバーに気持ちを示すくらいで、ちょうど良いのです。演技でも構わないので、席を離れるのが惜しいという気持ちを必ず伝えてください。そうすれば、お客様も納得して送り出してくれるでしょう。
気心の知れたお客様なら、指名かぶりで席に着く時間が短いことを、正直に伝えるのも良いでしょう。
指名が重なるのは、この業界ではよくあることです。指名をしてくれたお客様はガッカリするかもしれませんが、決して悪いことではありません。むしろ、担当キャストの人気が高い証拠です。
あなたを応援してくれるお客様なら、快く理解してくれるでしょう。また、遊び慣れたお客様の中には一旦お店を出て、時間をずらして再来店する方もいます。「忙しいからって、あんまり無理するなよ」と気遣ってくれる優しいお客様もいるでしょう。
だからといって甘えるのは禁物ですが、ある程度事情を明かした方がお客様も納得しやすく、イライラも治まりやすいはずです。
指名かぶりでお客様がイライラするのは、あなたを独占できないからです。
お客様の独占欲を満たすため、ゆっくりと接客できる時間帯を伝えることが大切です。お客様の来店スケジュールを把握し、自分のシフトを確認しましょう。
事前に来店予定を連絡してくれるお客様とは、良好な関係を続ける努力を。また、必要であれば、予定の変更をお願いするのも一つの方法です。
連絡なしで来店する方に対しては、自分からアプローチすることも重要です。来客が少ない日を見計らって「○日なら、ずっと席に着いていられるから、その日に来てくれると嬉しいな…」と提案してみてください。
こちらから積極的に連絡を取り、来店予定を確認し合える関係を築くことで、信頼度が高まります。
また、同伴やアフターも効果的です。お店の外で、マンツーマンでお食事を楽しめば、お客様もきっと満足してくれるでしょう。
キャバ嬢にとって、本指名は人気の証し。決して悪いことではなく、売れっ子であれば日常的に経験するでしょう。しかし、指名かぶりの際のフォローは、キャストとしての真価が問われる場面です。
たとえ指名が一度に重なったとしても、お客様を失望させたり、クレームに発展させたりしないよう、適切な対応が求められます。また、こうした状況を避けるためにも、お客様との連絡を密に取ることが重要です。どんなときも笑顔を忘れずに、お客様との素敵な時間を過ごしてくださいね。