キャバ嬢にとって、同伴は避けて通れない仕事の一つです。しかし、「同伴の意味がよくわからない」「同伴ノルマがつらい」といった声も少なくありません。

特に新人キャストにとっては、同伴が大きなプレッシャーに感じられることもあるでしょう。しかしご安心ください。同伴について正しく理解し、効果的な誘い方のコツをつかめば、スムーズに同伴へとつなげることができます。

この記事では、同伴システムの基本やアフターとの違い、同伴がもたらすメリット、そして効果的な誘い方についてわかりやすく解説します。

キャバ嬢の同伴とは?

同伴とは「同伴出勤」の略称で、お客様と連れだってお店に出勤することを意味します。

具体的には、出勤前にお客様と待ち合わせをして食事やショッピングなどの時間を楽しんだ後に、一緒にお店へと向かう出勤形式です。なぜ、このような出勤システムがあるのでしょうか。

同伴出勤はお店の売り上げを増やすために考案されました。キャバクラは、開店直後はお客様がそれほど多くはありません。仕事を終えて、食事をした後に来店するお客様が多いため、22時前後から賑わうのが一般的です。

このため、来店が少ない開店直後の時間帯の売り上げを伸ばすために生まれたサービスなのです。お客様にとっては、店外で女の子とデートができるメリットがあります。

お店側にとっては、同伴したお客様は確実に来店してくれますから、売り上げが確保できるメリットがあるのです。もちろん、キャバ嬢のメリットも大きいのですが、どのようなメリットがあるのかは後の章で詳しく解説しますね。

同伴の種類(店前同伴、賭け同伴)

同伴は事前にアポイントを取り、お客様と楽しい時間を過ごしてから出勤するのが一般的です。しかし、これとは異なる形式として「店前同伴」と「賭け同伴」があります。

「店前同伴」はお店の前などで待ち合わせ、そのまま出勤する形態です。同伴のメリットである「デート」がありませんから、お客様からはあまり歓迎されないかもしれません。中には「大切にされていない」「都合よく利用されている」と感じる方もいるため、安易な利用は避けた方が賢明です。

一方、「賭け同伴」は事前にアポイントを取らず、その日に突然お客様を誘うスタイルです。

お客様の予定が付かず、断られることもあります。また、食事には応じてもお店には来ないケースも少なくありません。この場合、同伴は成立せず、無駄な時間と労力を費やすことになります。うまくいくかどうかは、まさに賭けのようなものです。

「店前同伴」も「賭け同伴」も、こちらの都合を優先したお誘いですから、慎重に行動する必要があります。お客様の性格やスケジュールを把握し、なるべく負担をかけないよう、そして喜んで同伴してもらえるよう細心の注意を払いましょう。

同伴とアフターはどう違うの?

お店以外でお客様と会う接客サービスとして、「同伴」と「アフター」があります。両者の違いは時間帯とキャバ嬢への報酬の有無です。

同伴は出勤前に行われ、アフターはお店が終わってから行われます。また、同伴ではキャバ嬢に報酬が支払われますが、アフターでは支払われません。

同伴は信頼関係を築く時間

同伴は、キャバ嬢にとってお客様との信頼関係を築くための貴重な時間です。

もちろんお仕事なので報酬も得られますが、そのメリットは金銭的なものだけではありません。お客様と食事やショッピングに出かけることで、お互いにお店とは異なる一面を知ることができ、距離が縮まりやすくなります。

キャバ嬢として成功するためには、1人でも多くの指名を獲得し、指名客に頻繁に来店してもらうことが重要です。そのためには、お客様との良好な関係を築くことが欠かせません。同伴は、成功へと至る有効な手段といえます。

それに、LINEや電話で「お店に来てほしい」とお願いするよりも、「一緒にご飯を食べてからお店で遊びましょう」と同伴に誘った方が、お客様もデート感覚で楽しめるため、気分よく来店できるのではないでしょうか。

アフターはお礼の時間

アフターは、お店が終わった後にお客様と出かけるもので、無償のサービスです。それでも多くのキャバ嬢がアフターに応じるのは、日頃の感謝をお客様に伝えるためです。

応援してくれるお客様は、キャバ嬢にとってかけがえのない存在です。指名だけでなく、誕生日プレゼントや高額ボトルの注文、厳しいノルマの際に同伴で助けてくれるなど、支えとなってくれる方もいることでしょう。

そんなお客様に対して「ありがとう」の気持ちを込めて、プライベートな時間を一緒に過ごす――それがアフターの目的です。

多くのキャバ嬢にとって、仕事の後のプライベートタイムは貴重です。その大切な時間をお客様のために使うことで、感謝の気持ちを表現しているのです。

キャバ嬢にとっての同伴のメリット

同伴の目的はお客様との信頼関係を築くことですが、そこから得られるメリットは主に3つです。

同伴のバックにつながる

同伴はお店の売り上げに直結するため、「同伴バック」と呼ばれる報酬が支払われます。

同伴バックの金額は、お店や地域によって異なりますが、1回につき3,000円~5,000円程度が一般的です。中には、キャッシュバックではなくポイント制を採用し、ポイントに応じて報酬が加算されるシステムを導入しているお店もあります。

いずれにしても、同伴は確実な収入アップにつながります。

指名につながる

同伴は、お客様との親密な関係を深める絶好の機会です。二人きりで食事や会話を楽しむことで距離が縮まり、「また会いたい」と感じてもらうきっかけになります。その結果、本指名へとつながることも多く、接客の重要なステップとなるでしょう。

一方、店内だけで接客する場合、多くのお客様は、あなたを「お店の女の子」の一人として認識するでしょう。他のキャバ嬢と差別化を図り、お客様に特別な存在として意識してもらうには、より多くの時間と努力が必要です。

しかし、同伴を通して一対一の時間を過ごせばお客様の記憶に強く残り、「あなた」という個性を印象付けることができます。

時間をかけて店内で関係を築くよりも、同伴を活用した方が、お客様との距離を縮め、親密な関係を築きやすくなるでしょう。

時間の有効活用につながる

アフターは、お店の営業時間外に行われるため、時間制限がありません。切り上げるタイミングを逃すと、時間が長引くこともあります。プライベートの時間を重視する方にとっては、負担が大きいサービスといえるでしょう。

その点、同伴は営業時間内に行われるため、時間制限が設けられています。出勤時間が決まっているため、必要以上に長引く心配がありません。

同伴で店外デートができる時間は、一般的に開店前の1~2時間程度です。この短い時間を有効活用することで、新規のお客様を本指名につなげたり、既存のお客様との信頼関係をさらに深めたりすることができます。

プライベートな時間を大切にしながら収入を増やしたい方にとって、時間を有効活用できる同伴は魅力的な収入源となるでしょう。

効果的な同伴の誘い方とは?

いきなり同伴をお願いすると、お客様が戸惑ってしまうことがあります。しかし、以下に紹介する誘い方のポイントを押さえれば、お客様に喜んで同伴してもらえる機会が増えるでしょう。

誘う言葉の表現を工夫する

同伴に誘う際に、誰にでも同じように「同伴してください」とお願いしても、相手の心に響かないかもしれません。お客様それぞれの性格や状況に合わせて、あなたらしい誘い方を工夫してみましょう。

例えば、頼られるのが好きなタイプのお客様には、「今月の同伴、あと少しで目標達成なんです!○○さんに力を貸してもらえたら嬉しいです!」と、少し甘えた口調でお願いしてみてはいかがでしょうか。

一方、慎重な性格のお客様には、「もしお時間があれば、今度お食事でも」と軽く提案する程度にとどめる方が効果的です。誘う回数を控えるなど、相手を尊重する姿勢を示すことが大切です。

また、接客中に「浅草の○○というお店の蕎麦がおいしかったよ」「○○の映画が公開されるそうだね」などの話題が出た際には、「下町でお蕎麦とは粋ですね。今度、連れて行ってください!」「私も○○のファンなんです。映画、ご一緒したいな」と、会話の流れを利用してさりげなく同伴を提案するのも良いでしょう。

誘うタイミングを工夫する

同伴に誘う際は「タイミング」も重要です。適切なタイミングで切り出すことで、成功率が大幅にアップします。そのためには、お客様の性格や仕事のスケジュールを、ある程度把握しておく必要があります。

例えば、お客様が忙しい時期に誘うと断られやすいでしょう。しかし、少し落ち着いた頃に「お忙しい時期は落ち着かれましたか?おいしいものを食べてリフレッシュしませんか」と誘えば、「自分のことを理解してくれている」と感じ、喜んで同伴に応じてくれるケースが多いのです。

記念日やお客様の好物の旬に合わせて誘うのも効果的です。「もうすぐお誕生日ですね。お祝いさせてください。」と記念日を祝う気持ちを伝えたり、「毎日寒いですね。○○さんの大好物のてっちり鍋、二人で囲みたいな」と、お客様の好みに合わせた提案をするのも良いでしょう。

お客様の状況や好みに配慮した上で、タイミング良く声をかければ、特別な時間を共有したいという気持ちが伝わり、快く同伴に応じてもらえる可能性が高まります。

まとめ

同伴はキャバ嬢にとって収入アップだけでなく、プライベートの時間も有効に活用できる、メリットの多いシステムです。

同伴を成功させるためには、お客様一人ひとりの個性や生活スタイルに合わせた誘い方を工夫することが大切です。難しく考える必要はありません。お客様との会話の中で、共通の話題や興味のあることを探り、自然な流れで誘ってみましょう。

次の出勤時には、ぜひ同伴を意識して、お客様との会話を楽しんでみてくださいね!