キャバクラというと夜のお仕事というイメージが強いですが、実は朝やお昼も営業している店舗があります。「朝キャバ」「昼キャバ」と呼ばれるこれらの営業形態は、夜の時間帯に働くのが難しい人でも収入を得やすいなど、さまざまなメリットがあります。

今回は、朝キャバと昼キャバの夜の営業との違いやメリット、さらに、朝キャバ・昼キャバに向いている人について解説します。

朝キャバ・昼キャバとは?

「朝キャバ」とは、早朝から午前中にかけて営業するキャバクラの形態のことです。一方の「昼キャバ」は、お昼から夕方にかけて営業する形態を指します。

かつては、ほとんどのキャバクラが夜間のみ営業していました。当時は深夜0時を過ぎてもお客様で賑わっていましたが、風営法の改正によって深夜0時以降の時間帯は営業できなくなりました。

深夜0時以降は、キャバクラにとって最も収益が見込める時間帯でしたが、法律改正によってこの時間帯の営業が禁止されたため、多くのキャバクラが減収を余儀なくされました

この苦境を乗り越え、新たな顧客層を獲得するための戦略として登場したのが、朝キャバと昼キャバなのです。

朝キャバ・昼キャバと夜キャバはどう違う?

朝・昼・夜、それぞれのキャバクラの違いについて詳しく見ていきましょう。

勤務時間

営業時間はお店や地域によって異なりますが、一般的には次のとおりです。

朝キャバ:早朝6時~正午
昼キャバ:正午~夕方17時
夜キャバ:夜20時~深夜0時(地域によっては深夜1時まで営業)

仕事内容

朝・昼・夜と営業時間は異なるものの、どの時間帯も仕事内容に大きな違いはありません。いずれも、会話をしたり、お酒を作ったり、歌ったりして、お客様に楽しい時間を過ごしていただくことが主な仕事です。

ただし、朝と昼は客層が夜とは異なるため、落ち着いた雰囲気の中で接客する傾向があります。

服装・髪型

ドレスコードやヘアスタイルの規定はお店によって異なりますが、基本的には夜はセクシーでゴージャス、朝と昼は清楚な衣装とヘアスタイルが好まれます。

これは、それぞれの時間帯の客層がキャバクラに求めているイメージや、好まれる服装・髪型が異なるためです。

■夜キャバ
求められるイメージ:非日常的な空間において、華やかで特別な時間を提供するイメージ。

服装:セクシーで華やかなドレスが一般的です。露出度が高く、ボディラインを強調するデザインが好まれます。

髪型:巻き髪やアップスタイルなど、華やかでゴージャスなヘアスタイルが主流です。

■朝キャバ・昼キャバ
求められるイメージ:日常の延長線上にある、リラックスできる空間を提供するイメージ。

服装:ワンピースやブラウスとスカートなど、落ち着いた服装が一般的です。スーツの場合もあります。露出は控えめで、清楚な印象を与える服装が好まれます。お店によっては、私服でもOKです。

髪型:夜に比べて、ナチュラルでシンプルなヘアスタイルが主流です。ストレートヘアやゆるふわな巻き髪など、清潔感のあるスタイルが好まれます。

給料

朝キャバと昼キャバは、夜キャバに比べて来客数が少ないため、お給料は低い傾向にあります。

また、夜の時間帯はお酒を飲む量が多いですが、朝や昼はそれほど多くありません。そのため、ドリンクバックなどのインセンティブも、夜に比べると少なめです。加えて、同伴ノルマがないため同伴バックも期待できません。

一般的な時給は、朝キャバ2,000~3,000円、昼キャバ2,500~3,500円程度が相場です。夜キャバは、3,000円から5,000円程度が相場ですが、お店のランクや個人の能力によって、さらに高額になることもあります。

朝キャバでも時給2,000円以上稼げるお店が多いため、一般的なパートに比べると高額といえるでしょう。

ただし、時給はあくまでも目安です。お店や地域、個人の経験・能力、各種手当の有無などによって実際の時給は大きく異なります。たとえば、朝キャバでも常連客を獲得して大きく稼ぐ人もいます。

客層

夜キャバと、朝キャバ・昼キャバでは、客層が異なります。

夜キャバは、主に20代~50代の会社員が中心です。仕事帰りに同僚と飲みに来たり、接待で利用したりするケースが多いでしょう。

一方、朝・昼キャバには、ホストやナイトクラブ従業員など、夜に働く人が多く訪れます。仕事後や他店で遊んだあとに立ち寄るケースが多いのです。

また、医師や警備員など、夜勤明けの人も多く見られます。帰宅前に気分転換したい、早朝から営業している飲食店が少ないといった理由で、朝キャバを利用するようです。

また、自営業やフリーランス、定年退職後など、日中に時間の余裕がある人も来店されます。

朝キャバ・昼キャバで働くメリットは?

ここでは、朝キャバ・昼キャバで働く3つのメリットをご紹介します。

規則正しい生活を送れる

朝キャバや昼キャバで働く最大のメリットは、規則正しい生活を維持しやすいことです。

夜のお仕事は、どうしても生活リズムが乱れがちです。夕方から同伴し、夜はお店で働いて、そのあとはアフターで明け方まで、というパターンも多いでしょう。

人には体内時計が備わっており、朝の光を浴びることでこの体内時計がリセットされ、生活リズムが整います。しかし、夜型の生活では朝日を十分に浴びることができず、体内時計をリセットする機会がありません。その結果、良質な睡眠が取れず疲労が溜まりやすくなります。

日中に働く朝キャバ・昼キャバなら、このような心配はありません。夜は休養の時間に充てられるため心身の負担が少なく、疲れも溜まりにくいといえるでしょう。

水商売をしていることがバレにくい

キャバ嬢の中には、家族や周囲に内緒で働いている人もいるでしょう。夜の世界で働くことに抵抗がある人や、家族や友人に知られたくない人にとって、朝・昼キャバは大きなメリットがあります。

日中の勤務のため、夜の街で働くイメージを持たれずに済みます。生活リズムが一般の仕事と変わらないため、昼間働いて夜は家にいることで、家族や友人に怪しまれることなく、普通の仕事をしているように見せることができます。

たとえば、夜キャバで働いていると、友人から「仕事帰りにご飯行こう」と誘われても、断らざるを得ないことが多いでしょう。夜の営業時間中にLINEなどが来ても、すぐに返信するのは難しいですね。

朝キャバ・昼キャバなら周りの目を気にせず、安心して働けます。

同伴やアフターがほとんどない

朝キャバ・昼キャバでは、同伴やアフターはほとんどありません。

夜キャバでは同伴がノルマになっているお店も多く、アフターに誘われることも頻繁にあります。一方の朝キャバ・昼キャバでは、その必要がほとんどありません。

お客様も夜の仕事や夜勤が終わってから来店される人が多いため、疲れから同伴やアフターの希望が少ないのです。

朝キャバ・昼キャバの営業時間帯のみしっかりと働けばよいため、仕事終わりに友人と食事に行ったり、習い事をしたりと、自分の時間を有効に活用できます。プライベートの時間を大切にしたい人にとっても、朝キャバ・昼キャバはおすすめです。

朝キャバ・昼キャバに向いている人とは?

朝キャバ・昼キャバは、ライフスタイルに合わせて無理なく働きたい方に最適な働き方です。

早起きが得意な人

朝キャバは早朝から、昼キャバは昼頃から営業が始まります。そのため、早起きが得意な人に向いている勤務形態です。

特に朝キャバは、早朝6時のスタートです。身支度や通勤時間を考えると、4時や5時頃に起きる必要があるでしょう。一方、昼キャバは12時頃から営業開始するお店が多いですが、それでも夜キャバに比べると早起きが必要です。

夜型の人にとっては早起きがつらいだけでなく、夜は早く寝なくてはならないなど、生活リズムを合わせるのが難しいケースもあります。

寝坊して遅刻してしまうと、時給が削られるだけでなく、お店やお客様の信頼を失ってしまう可能性もあります。早朝営業のキャバクラでは、早起きが得意な人に向いているといえるでしょう。

仕事を掛け持ちしたい人

朝・昼キャバは仕事を掛け持ちして効率的に収入を増やしたい人にもおすすめの働き方です。

その理由としてまず挙げられるのが、時間の融通が利きやすいことです。短時間勤務でもOKというお店も多いため、パート感覚で働けます。同伴やアフターもほとんどありません。また、厳しいノルマを設定している店舗も少ないようです。

そのため、心身への負担が比較的少なく、別の仕事とも両立しやすいのが魅力です。

実際に、夜キャバとのダブルワークはもちろん、午後は別の仕事に就きながら朝キャバで働く、あるいは在宅ワークと並行するなど、多様な働き方が可能です。

ダブルワークだけでなく、育児や介護、勉学との掛け持ちを希望する人にとっても、朝キャバ・昼キャバは柔軟なワークスタイルを確立できる有益な働き方といえるでしょう。

夜の時間は自分や家族に使いたい人

夜キャバは夜の時間帯が活動の中心となるため、家族や周囲の人と生活リズムが合わず、すれ違うことが多くなります。

家族との生活リズムの違いは、心身ともにつらいですよね。特に、子育て中のママにとって、お子さんと過ごす時間が十分に取れないのは、大きな悩みではないでしょうか。

また、夜の仕事で眠いけれど朝早くに起きてお弁当を作る、出勤前の短い時間帯にしか子どもとのコミュニケーションが取れないなども、つらいところです。

一人暮らしであっても、友人や家族と生活リズムが反対だと、会う機会が減ってしまいます。

家族やプライベートの時間を大切にしたい人にとって、朝キャバ・昼キャバは、生活リズムを崩さずに働ける選択肢といえるでしょう。

まとめ

朝キャバ・昼キャバは、夜型生活を避けたい人や、プライベートの時間を大切にしたい人にとって、魅力的な働き方です。

時給はやや低めですが、客数が少ないため落ち着いて働けるだけでなく、同伴やアフターの心配もほとんどありません。

また、規則正しい生活を送れる、周囲に水商売をしていることがバレにくいなど、さまざまなメリットがあります。

「キャバ嬢は夜に働く仕事」と固定観念にとらわれず、ライフスタイルに合わせて、最適な時間帯に働いてみてはいかがでしょうか?