「先月は忙しかったのに、今月はあまり稼げない」と感じたことはありませんか? 実は、キャバクラの世界にも「忙しい時期」と「暇な時期」の波があるのです。

この波を把握していないと、どんなに頑張っても思うように稼げず、困ってしまう可能性があります。

この記事では、キャバクラの繁忙期と閑散期それぞれの特徴を解説し、閑散期を乗り切ってコンスタントに稼ぐためのとっておきの方法をご紹介します。

キャバクラにも繁忙期と閑散期がある

いつも賑わっている印象の夜の街。しかし、季節の移り変わりとともに人の流れが変わることをご存じですか?

「最近、暇だな……」と感じている理由は、閑散期に入ったからかもしれません。ほかの多くの業界と同様、キャバクラにも「繁忙期」と呼ばれる忙しい時期と、「閑散期」と呼ばれるお客様が少ない時期があります。

同じように努力をしても、時期によってお客様の数が大きく変わるのは、季節やイベント、社会全体の景気など、さまざまな要因が影響しているからです。

「繁忙期」と「閑散期」を理解し、事前に対策を立てることは、安定した収入を得るために非常に重要です。特に新人キャストの方はこの波を把握できずに、思わぬ収入の落ち込みに戸惑うことも少なくありません。

それでは、具体的にいつが繁忙期・閑散期なのか、詳しく見ていきましょう。

キャバクラの繁忙期はいつ?

キャバクラの繁忙期は大きく分けて3回あります。それぞれの特徴を理解することで、より効果的な接客が可能になります。

3~4月:送別会・歓迎会シーズン

4月は新生活がスタートする月です。企業では新入社員の入社や、人事異動による転勤が重なるため、3月末から4月下旬にかけて送別会や歓迎会が集中します。歓送迎会で盛り上がり、二次会や三次会でキャバクラに足を運ぶお客様が増える時期です。

転勤で新しくその土地に赴任する人も多く、フリーのお客様が増えるのも特徴です。指名獲得のチャンスが増えるため、積極的にアピールして信頼関係を築きましょう。

【接客のポイント】
・新入社員のお客様は緊張しがちです。優しく丁寧に接しましょう。
・転勤してきたばかりのお客様は土地勘がないので、おすすめのグルメスポットなどお店周辺の情報を提供すると喜ばれます。

6~7月:夏のボーナスのシーズン

6~7月は「ボーナスで贅沢を」「頑張った自分へのご褒美に素敵な夜を」という気持ちで来店されるお客様が増え、店内は華やかな雰囲気に包まれます。

また、暑さが本格化するこの時期は、涼しい店内でゆっくりとお酒を楽しみたいというニーズも高まります。

【接客のポイント】
・ボーナスシーズンでお客様の気分も良いため、高級シャンパンやウイスキーなど、さりげなく高額商品を提案してみるのもよいでしょう。
・暑さで疲れているお客様も多いので、冷たいおしぼりやドリンクを提供するなど、きめ細やかな気配りを。

年末年始:忘年会・新年会シーズン

12月から1月は、クリスマス・忘年会・新年会と行事が続く繁忙期です。冬のボーナスシーズンとも重なるため、お客様の財布の紐も緩みやすい時期といえるでしょう。

年末は「今年一年の労をねぎらいたい」「年忘れを楽しみたい」、年始は「新年を笑顔でスタートしたい」という気持ちのお客様が多く、大いに賑わいます。

【接客のポイント】
・お酒を飲む機会が増えるシーズンです。飲み過ぎなど、お客様の体調に気を配りましょう。
・楽しい雰囲気づくりを心がけ、お客様に特別な思い出を提供することで、ファンを増やしていきましょう。

繁忙期に得られるメリット

来客数が増える繁忙期は、頑張り次第でたくさんのメリットを得られるチャンスです!具体的にどんな良いことがあるのか、見ていきましょう。

時給が上がりやすい

繁忙期はお客様の数が増えるため、お店側はキャストに出勤日を増やしてもらおうと時給を上げるケースが多くみられます。時給が高いシーズに1日でも多く出勤することで、大幅な収入増が見込めるでしょう。

また、ドリンクやボトルの注文も増え、歩合給も上がりやすくなります。さらに、ボーナスで懐があたたかいお客様が多いため、クリマスプレゼントやお年玉としてチップをいただく機会も増える可能性があります。

新規顧客を確保しやすい

新しくその土地に赴任してきたお客様や、二次会や三次会などで新たなお客様が来店する繁忙期は、新規顧客確保のまたとない好機です。

名刺交換やお客様の情報収集、こまめな連絡など接客術を駆使して顧客を増やしましょう。この際に忘れてはいけないのが、お客様ファーストの接客をすることです。

指名獲得という目的を達成しようと思うあまり、お客様の気持ちをないがしろにすることがないよう、心からのもてなしましょう。結果的に顧客満足度を高め、指名へとつながりやすくなります。

好待遇で採用されやすくなる

お客様を逃さないために、繁忙期は一人でも多くのキャストを雇いたいのがお店側の本音です。各店舗がキャスト募集に力を入れるため、好待遇で採用されやすくなるのもメリットです。

未経験の方も、新しいお店に移籍したいという方も、この時期が絶好のチャンスです。

採用基準のハードルが下がる傾向もあり、相談次第では希望する時給に応じてくれることもあります。ハードルが高い高級店でも、繁忙期なら採用される可能性があるため、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

キャバクラの閑散期はいつ?

収入減の可能性がある閑散期ですが、いつ訪れるのかを知っていれば、事前に対策を立てて安定した収入を確保できます。主な閑散期を見ていきましょう。

2月:年末年始後の節約時期

年末年始の華やかな雰囲気から一転し、2月は静かな時期だといえます。

年末年始に財布の紐が緩んだ反動で、「ちょっと使いすぎたかも……」と我が身を振り返るのが2月。この時期は節約モードに入るお客様が多いのです。

また、続く3月~4月には子どもの進学・進級、本人の就職・転勤によるさまざまな出費が控えている場合もあるため、お客様は外食費を抑える傾向にあります。

さらに追い打ちをかけるのが、厳しい寒さです。夜の外出を控える方が増えます。

8月:夏休みシーズン

8月は夏休みやお盆休みによる帰省で都心部の人口が減少します。真夏の暑さで外出を控える人も増え、さらに7月のボーナスシーズン後で財布の中身も寂しくなってくる時期です。会社関係の接待も夏休みと重なり減少傾向に。

ただし、お盆明けから月末にかけては徐々に活気を取り戻してきますので、この時期をうまく乗り切ることが重要です。

閑散期のデメリット

閑散期のデメリットのなかで最もダメージが大きいのが、収入面への影響です。指名客の来店もまばらになり、指名料やボトルを入れてもらうことによる歩合給が減ります。お客様の来店が少ないため、シフトが削られることや、早上がりを余儀なくされることもあるでしょう。

これらすべての要因が収入減少につながるのです。

さらに、限られたフリーのお客様をめぐって、キャスト間の競争が一層激しくなります。普段以上にほかのキャストとの差別化が求められるなど、指名獲得も難しくなるでしょう。

しかし、これらのデメリットも事前の準備と適切な対策で、十分に乗り越えることができます。次にご紹介する「閑散期を乗り越えるための対策」を参考に、閑散期を成長のチャンスに変えましょう。

閑散期を乗り越えるための対策

閑散期を乗り越えるためには、繁忙期の間からの準備が大切です。ここでは、安定した収入を確保するための具体的な方法をご紹介します。

フリー客について連絡先を交換する

フリーのお客様と信頼関係を築き、長期的な関係へと発展させましょう。お客様との距離を縮める接客の第一歩は、連絡先の交換です。連絡先を得ることで、お客様との接点を持ち続けることができます。

連絡先の交換は、閑散期に入る1~2か月前から始めるのがおすすめです。繁忙期は指名客の接客で忙しいかもしれませんが、そのような場合でも1日1組はフリーのお客様につけてもらうなど、自分なりのノルマを決めて取り組みましょう。

閑散期に入ると新規フリー客の獲得が難しくなりますが、諦めずに努力を続けましょう。普段よりも時間をかけて接客できる閑散期だからこそ、きめ細やかなコミュニケーションを行うことで信頼関係を築くことができます。

キャバクラに慣れていないお客様の中には、「連絡先を教えること」ことに抵抗がある方もいるかもしれません。そのような場合は、「LINE交換しませんか?」「インスタ、フォローしてもらってもいいですか?」など、お客様が気軽にOKしやすいお願いから始めてみましょう。

こまめな営業連絡でつながりをキープ

連絡先を交換したお客様とは、定期的なコミュニケーションを行うことを心がけましょう。

SNSでの近況報告や、お店の新メニュー情報など、お客様が興味を持ちそうな話題を選んで連絡するのがベストです。そのうえで、誕生日などには心のこもったメッセージを送るなど、特別な対応も忘れずに。ただし、連絡頻度は相手に合わせて調整しましょう。

2月と8月はキャバクラだけでなく、世間一般的に売上が下がる時期です。「暇な時期だからこそ来店して応援してあげよう」と思ってもらうためには、閑散期に入る数か月前からの下準備が欠かせません。

つまり、繁忙期で忙しくても「お客様への対応をおろそかにしない」こと。むしろ、忙しい時期だからこそ、次の閑散期に備えて、普段以上に丁寧な接客とこまめな連絡を心がけましょう。

同伴やアフターを増やす

閑散期は、お客様とより多くの時間を共有するチャンスでもあります。お店が比較的空いている分、積極的に同伴やアフターに取り組みましょう。指名料金や同伴料金が発生するため、収入アップにもつながります。

アフターは直接の収入にはなりませんが、時間に余裕がある場合は誘ってみてはいかがでしょうか。感謝の気持ちがダイレクトに伝わるだけでなく、普段とは異なる場所でゆっくりと話すことで、お客様との距離をさらに縮めることができます。

このように、店外でもじっくりと時間をかけて接客できるのは、閑散期ならではのメリットです。落ち着いた雰囲気のレストランで食事を楽しむ、バーで軽く一杯、カラオケで盛り上がるなど、お客様の好みに合わせたアフターで素敵な時間を共有しましょう。

この時期に信頼関係を深めておくことが、年間を通じた来店数の増加につながります。

バレンタインをうまく活用する

閑散期の2月には、バレンタインデーという特別なイベントがあります。このチャンスを活かして、お客様との絆を深めましょう。定番のチョコレートや心のこもったプレゼントで、日頃の感謝の気持ちを伝えるのがおすすめです。

「義理チョコ」と軽く考えず、少し贅沢なチョコレートや手作りスイーツで特別感を演出すれば、お客様の心に響くはずです。

また、バレンタイン限定のドリンクやイベントを企画するお店も多いため、SNSでの情報発信やお客様への直接のお誘いも効果的です。

まとめ

キャバクラでは3~4月、6~7月、そして12月~1月が繁忙期、2月と8月が閑散期となります。

繁忙期には、時給アップや新規のお客様との出会いなど、多くのチャンスがありますが、閑散期には収入の減少や競争の激化といったデメリットがあります。

収入が増える繁忙期に油断をせず、閑散期に備えた準備を行うことが、効率良く安定した収入を得る秘訣です。目先の数字だけに捕らわれず、一年間の客足の波を考えてどのような接客を行うかを考えましょう。