12月・1月は忘年会や新年会が重なり、団体客が増えるシーズンです。とはいえ、「1対1の接客なら自信があるけれど、団体は苦手……」と悩むキャバ嬢は少なくありません。複数人ならではの空気感や、会話のテンポに圧倒されてしまうのは、新人・ベテラン問わず誰もが通る道といえるでしょう。

しかし、団体客は売上アップや指名獲得につながる大きなチャンス。この記事では、団体客に対する苦手意識を克服して楽しく稼ぐコツを、事前準備から当日の接客テクニック、アフターフォローまで具体的に解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

団体客の接客を苦手に感じるのはなぜ?

団体客に対して抵抗感を持ってしまうのには、明確な理由があります。まずはその原因を整理してみましょう。

全員に平等な目配りが難しい

団体客の接客で最も難しいのが、全員への気配りです。1対1の接客なら目の前のお客さまだけに集中できますが、団体だとそうはいきません。盛り上がる人もいれば静かな人もいて、誰を優先すべきか判断に迷ってしまいます。

特に新人のうちは、目の前で話しかけてくれるお客さまにばかり意識が向いてしまい、離れた席への配慮がおろそかになりがちです。「あの子は自分のことを見てくれていない」と感じさせてしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

また、人数が多いためにグラスが空いているのに気づかなかったり、灰皿交換のタイミングを逃したりすることもあるでしょう。細かな気配りの難しさも、団体客の接客を難しく感じさせる要因です。

お客さま同士の会話に入りづらい

団体客は仲間同士で来店しているため、すでに会話が盛り上がっていることが多く、その輪に入るのが難しいことがあります。

お客さま同士の関係性が読めないことも悩みの種です。上司と部下なのか、同僚なのか、友人同士なのかによって、話題の選び方や接し方を変える必要があります。

「この話題は大丈夫かな」「今話しかけていいタイミングかな」と考えているうちに、会話に入るチャンスを逃してしまうこともあるでしょう。

「無理に割って入って空気を壊したくない」という遠慮や、「自分だけ話についていけない」という疎外感が、接客への抵抗感を生みます。

団体客の接客がチャンスな理由

苦手意識を持ちがちな団体客ですが、実は売上や指名獲得につながるチャンスがたくさん隠れています。具体的なメリットを見ていきましょう。

高単価になりやすく売上が伸びやすい

団体客の最大の魅力は、単価の高さです。人数分のセット料金はもちろんですが、複数人で飲むとお酒の進みが早くなり、ボトルが空くスピードも上がります。

また、グループ内に「見栄を張りたい」という心理が働きやすいため、誰か一人が「シャンパン入れようぜ!」と提案すると、トントン拍子で高額ボトルが決まることも珍しくありません。

一晩で大きく売上を伸ばすキャストは、こうした団体客の「盛り上がり」を上手に味方につけ、効率的に数字を作っています。

また、盛り上がると「まだ帰りたくない」という気持ちになり、延長が入りやすいのも大きなメリットです。

新規客や個人指名獲得につながる

団体客の中には初来店のお客さまも多く、一度の接客で複数の新規客に出会えるチャンスです。

たとえその場では指名が決まらなくても、丁寧な接客で好印象を残せば、「次は一人で来よう」「また、あの子に会いたい」と思ってもらえる可能性が十分にあります。

また、団体客はお互いに影響し合います。グループの中の一人があなたを気に入れば、「あの子いいよね」という会話から、ほかのメンバーにも興味を持ってもらえることがあります。

いわば、本指名を増やすためのオーディションの場として、これほど効率的な環境はありません。複数のお客さまの心をつかめれば、その後の指名客が一気に増える可能性もあるのです。

団体客を迎える事前準備と心構え

団体客の接客では、席についた直後の観察と心構えが大切です。事前の意識づくりで、対応のしやすさが大きく変わります。

グループ内の「キーパーソン」を見極める

団体客には必ず、その場の空気を支配している「キーパーソン」が存在します。それは、単純に一番年上の方かもしれませんし、その日の支払いをする方、あるいは最も声が大きく場を盛り上げている方かもしれません。

キーパーソンの機嫌が良いと、グループ全体の空気も和らぎやすくなります。まずは、誰が中心となって話が回っているのか、誰の一言で周囲が動くのかを素早く観察しましょう。キーパーソンを味方につけることができれば、ドリンクのオーダーもスムーズになり、グループ全体の満足度をコントロールしやすくなります。

共通の話題を素早く見つけて盛り上げる

内輪ネタで盛り上がっている団体客に対しては、まず「今日は何のお集まりなんですか?」と入り口を探ることが大切です。

仕事仲間・地元の友達・趣味の集まりなど、関係性がわかれば振るべき話題が見えてきます。詳しい内容がわからなくても、「皆さん本当に仲が良いんですね!」「お仕事のチームワークがすごそう」といった、グループ全体を褒める言葉を投げかけるだけで、会話の輪に入りやすくなります。

自分から面白い話をしようとせず、彼らの関係性に興味を持つ姿勢を見せることがポイントです。

一人に集中せず全体に目線や笑顔を向ける

団体客の接客で最も大切なのが、全員に目線と笑顔を向けることです。誰か一人と盛り上がっていても、定期的にほかのメンバーにも視線を向けて、「〇〇さんはどうですか?」と話を振ることが大切です。

左右に座っているお客さまを順番に見ながら話したり、グラスの状態を確認する際に全員の目を見たりする習慣をつけるとよいでしょう。

特に、会話に加わらずに静かに飲んでいる方は、周囲をしっかりと観察しています。キャストの気配りにも気づきやすく、「後日一人で通ってくれる上客」になるかもしれません。

アンテナを180度に張るつもりで目を配り、全員に「自分も大切にされている」と感じてもらうことが重要です。

売上を最大化するポイント

楽しく場を盛り上げるだけでなく、団体客からしっかり売上を作る具体的な方法をご紹介します。

質問形式で均等に話をパスする

会話が特定の人に偏らないよう、質問形式で話を振っていくテクニックを使いましょう。

たとえば、一人のお客さまが「今日は大変だったよ」と話したあとに、「〇〇さんも大変でしたか?」と隣の人に話を振る形です。「Aさんはゴルフがお好きなんですね。Bさんもされるんですか?」「皆さんの中で一番お酒が強いのは誰ですか?」など、質問の形で会話のきっかけを作ります。

質問を介して会話を循環させることで、あなたは「場を回すMC」のような存在になれます。自分が頑張ってしゃべらなくても、お客さま同士が楽しそうに話す状況を作れれば、接客としては大成功です。

キーパーソンにグループ全体で楽しめるドリンクを提案する

売上を伸ばすには、ドリンクの提案が欠かせません。団体客の場合は、キーパーソンに相談する形を取るのがおすすめです。

たとえば、「皆さんで乾杯できるシャンパンはいかがですか?」「この人数ならボトルのほうがお得ですよ」と一言添えてみましょう。

一人ひとりに「お代わりいかがですか?」と聞くよりも、グループ全体で楽しめるものを勧めるほうが、オーダーが入りやすいためです。

キーパーソンが「じゃあ、皆でシャンパン開けようか」と言ってくれれば、グループ全体が盛り上がり、さらなるオーダーにもつながりやすくなります。ただし、押し売りにならないよう、場の雰囲気を読みながらタイミングを見計らうことが大切です。

飲まされすぎないように対処する

団体客は場が盛り上がると、キャストに対しても次々とお酒を勧めてくることがあります。しかし、飲みすぎて体調を崩しては元も子もありません。上手に対処しながら、長時間の接客をこなせるよう工夫しましょう。

基本的な対策は、お酒の合間に水やお茶を飲むことです。「ちょっと喉が渇いたので」と自然に水分補給する時間を作りましょう。

自分で作る場合は、お酒の量を少なめにして割り材を多めにする、グラスを小さめにする、飲むペースをゆっくりにするなどの工夫も有効です。

お客さまに「無理して飲んでいるのでは?」と気を使わせないよう、笑顔で楽しみながらも、自分のペースを守ることを心がけましょう。

好みを把握して個人指名へのきっかけをつかむ

たとえ大勢のお客さまがいても、一人ひとりの特徴や好みを記憶するよう心がけましょう。

会話の中で「〇〇さんは映画が好きなんですね」「△△さんは甘いものが苦手なんですね」といった情報を自然に聞き出し、覚えておきます。

また、あなたに特に好意的な反応を示すお客さまを見極めることも大切です。よく目が合う、笑顔で話を聞いてくれる、よく質問をしてくれるなどのサインを見逃さないようにしましょう。こうしたお客さまには、さりげなく「今度はゆっくりお話ししたいです」「また来てくださいね」と個別に声をかけるのが効果的です。

団体の中でも一対一の特別な瞬間を作ることで、「次は一人で来てみようかな」と思ってもらえる可能性が高まります。

次回につなげるためのアフターフォロー

接客は、当日で終わりではありません。その後のフォロー次第で、個人指名や次回の売上につながるかどうかが決まります。

お礼メッセージは個別に送ろう

団体で来店された場合でも、連絡先を交換できた方には必ず「個別」にメッセージを送りましょう。グループLINEなどがあれば全体への挨拶も大切ですが、それとは別に個人宛てで送るのが鉄則です。

一人ずつ丁寧にメッセージを作るのは手間がかかりますが、この積み重ねが指名獲得の第一歩になります。「ご来店いただきありがとうございました!〇〇さんの△△の話、とても面白かったです」「ゴルフのお話、続きが聞きたいです」など、一対一を強調する内容が効果的です。大勢の中の一人としてではなく、一人の男性と認識して向き合っている姿勢を示すことで、相手の承認欲求を刺激することができます。

次回は「個別来店」してもらえるようアプローチしよう

お礼メッセージを送ったあとは、個別来店につながるアプローチを意識していきましょう。団体で来たお客さまの中には、「一人で行くのはハードルが高い」と感じている人も多いため、優しく背中を押してあげることが大切です。

「今度はゆっくり〇〇さんとお話ししたいです」「△△の話、もっと詳しく聞かせてください」といった、個人的な興味を示すメッセージを送ります。「来週の◯曜日、出勤してます」と具体的な日時を伝えると、来店しやすいでしょう。

すぐに反応がなくても、定期的に「元気ですか?」「また会いたいです」といった軽いメッセージを送ることで、関係性を維持しましょう。焦らず、自然な流れで個別来店につなげることを意識してくださいね。

まとめ

団体客の接客は、難しさがある一方で、大きなチャンスも秘めています。

キーパーソンを見極め、共通の話題で盛り上げながら、全員に笑顔と目線を向けることが、売上や指名につながる第一歩です。団体客を味方につけることができれば、お店での評価も高まり、接客への自信も自然と深まっていくでしょう。

だからといって、全員に完璧な対応をしようと考える必要はありません。まずは、テーブルの端に座っているお客さまに笑顔を向けることから始めてみてください。