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お客様との会話ではドリンクをすすめることに意識が向きがちで、フードの提案が後回しになっていませんか。
しかし、フードメニューは接客のしやすさを上げてくれる心強い味方です。うまくおすすめできると売上につながるだけでなく、お客様にも「この子、気が利くな」と感じてもらいやすくなります。
この記事では、フードメニューをおすすめする理由から、定番フードの種類、相手に合わせた提案のコツまでわかりやすく紹介します。併せて、タイプ別のすすめ方や、接客で意識したいマナーも見てみましょう。
「フードは、お客様が頼んだ場合にだけ対応すればいい」と思っているキャストは少なくありません。しかし、フードの提案はただの追加注文ではなく、接客の雰囲気を良くすることにもつながります。その理由を見ていきましょう。
ドリンクだけで売上を伸ばそうとすると、どうしても「もっと飲んで」という空気になりがちです。
その点、フードは千円前後の軽いおつまみから、高級フルーツ盛りまで値段の幅が広く、お客様の雰囲気やお財布事情に合わせてすすめやすいのが強みです。
お店によってはフードバック制度があり、売上の一部がキャストに還元されます。
空腹のままお酒を飲み続けると、お客様の気分が悪くなったり、早めに帰宅されたりする原因になります。
一方で、フードがあると飲むペースがゆるやかになり、お客様も落ち着いた気分で過ごせるようになります。
テーブルにフードがないと、お酒だけで会話をつなぐことになり、間が持たないこともあります。
「これ、食べたことありますか?」
「このメニュー、人気なんですよ」
そんなひと言が、話題を広げる助けになってくれます。
さらに、
「よかったら一緒に食べませんか」
「取り分けましょうか」
といった会話が入ると、自然に親密感を演出できるでしょう。
ピザを取り分けたり、フルーツをすすめたりといったやり取りも、お客様との距離を縮めるきっかけになります。
それでは、実際にどのようなフードをすすめるとよいのでしょうか。定番かつお客様に人気のメニューを5つ紹介します。
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キャバクラの定番フードとしてまず挙げられるのが、フルーツ盛りです。相場は5,000~1万5,000円ほどで、高級店では3万円近くになることもあります。
見た目が華やかで特別感があるため、お祝いの席やシャンパンが入った場面にもよく合います。
また、さっぱりしていて食べやすいため、重たいものを避けたいお客様にもすすめやすいでしょう。
「お口直しにフルーツを」
「シャンパンにも合いやすいですよ」
と伝えると、注文につなげやすくなります。
ビールやハイボールに合うフライドポテトや唐揚げは、つい手が伸びる人気メニューです。相場は1,500~3,500円ほどで、塩気もあってお酒が進みやすいのが特徴です。
また、ミックスナッツやポテトチップス、ポッキーなどの乾き物は、1,000~1,500円ほどが相場です。手軽に食べられるので、初めてのお客様にもすすめやすいでしょう。
いずれも、お客様の好みがまだわからない段階でも選びやすい鉄板メニューです。
ビールやワインに合わせやすいお肉料理も人気があります。
生ハムの盛り合わせは1,000~2,500円ほどが相場で、テーブルを華やかにする万能選手です。
ソーセージの盛り合わせは2,000~3,000円ほどが多く、ボリューム感があります。
「少しお腹にたまるものはいかがですか」
「しっかり食べたい気分なら、こちらも人気ですよ」
など、お腹を空かせて来店された方にもすすめやすいメニューです。
夜遅い時間帯や、二次会、三次会のあとには、小腹を満たせる主食系が喜ばれます。
チャーハンやオムライスなどのご飯ものは、1,500~5,000円ほどが相場です。焼きそばも1,000~2,500円ほどで、親しみやすく人気があります。
さらに、カルボナーラやペペロンチーノなどのパスタ類も定番です。相場は2,000~5,000円ほどで、ワインに合わせやすいメニューとしても親しまれています。
そろそろお開きかな……。
そんな雰囲気を感じたら、〆の一品として提案すると喜ばれやすいでしょう。
また、早い時間であれば、「忙しくて夕飯を食べそびれた」という方にすすめるなど、お客様の状況に合わせておすすめしやすいジャンルです。
大人数の席や盛り上がっている場面では、シェアしやすいメニューが活躍します。
サンドイッチは2,000~3,500円ほど、ピザは3,500~7,000円ほどが相場です。取り分けやすく、会話を止めずに食べやすいところが魅力です。
「皆さんでつまみやすいもの、食べませんか?」
と声をかけると、場の雰囲気を壊さずに提案しやすくなります。
特定のお客様だけでなく、席全体への気配りとして見てもらいやすいのも強みです。
自信を持って提案できるように、売り込みらしく見えないコツを押さえておきましょう。相手の好みや状況に合わせて提案できると、受け入れてもらいやすくなります。
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いつも来てくださるお客様には、
「お腹が空いていると酔いやすいですし、何か少しつまみませんか」
など、体調を気遣う言葉が効果的です。
「ちょっとペース早くないですか?何かつまみながら飲みましょ」
「フルーツ頼みません?さっぱりするし、食べやすいですよ」
といった誘い方なら、押しつけっぽさが和らぎます。
団体席では「楽しさ」や「一体感」を意識した、その場全体が盛り上がる提案が向いています。
「せっかくなので、皆さんでつまめるものを入れませんか?」
と、提案すると違和感がありません。たこ焼きやピザ、フルーツ盛りといったパーティ感のあるメニューが、場のテンションを一気に上げてくれるでしょう。
また、初めてのお客様は好みがわからないため、乾き物など無難なメニューから入るのも一つの方法です。
このほか、
「好きな食べ物は?」
「いつもは、どんなおつまみでお酒を飲まれるんですか?」
など、会話の流れで好みを聞き、そこから提案につなげるのもよいでしょう。
シャンパンやワインを好むお客様は、洗練された雰囲気を求める方が多いと覚えておきましょう。フードも、飲み物との相性を意識したメニューが好まれます。
「このシャンパンなら、フルーツと生ハムがよく合いますよ」
「白ワインでしたら、魚介のパスタなどはいかがですか」
「赤ワインには、ちょっとクセのあるチーズがおすすめです」
など、お酒をより楽しむための提案として伝えると、特別感も出しやすくなります。
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フードをすすめたいけれど、あからさまな営業には見せたくない。そんなときに使えるおねだりフレーズを3つのパターンに分けて紹介します。
常連さんなどの親しいお客様には、
「私もちょっと食べたい気分です」
「これ、私の大好物なんです。よかったら一緒にどうですか」
など、自分も一緒に食事を楽しみたいというニュアンスを加えると、営業色が薄れます。
お客様も「頼まされた」ではなく、「キャストに喜んでもらえた」と感じ、楽しく過ごせるでしょう。
ただし、使いすぎるとあざとく見えることもあるため、要注意です。
おすすめ感を出したいときは、「人気」「隠れメニュー」といった言葉を使ってみましょう。
「これ、めったに入荷しない隠れメニューなんです」
「これ、私のイチオシです」
「このオムライスを目当てに来店するお客様がいるほどおいしいんですよ」
「いつも、すぐ売り切れちゃうんです」
お客様も特別な情報を教えてもらった気分になり、「じゃあ、それを」と注文しやすくなるでしょう。
「ずっとお酒ばかりだと悪酔いしちゃうから、何かおつまみを頼みませんか?」
「軽くつまめるものがあると安心ですよ」
このように伝えれば、売上目的ではなく、気配りとして受け取ってもらいやすくなります。
「たくさん飲んでくれるのはうれしいけど、体のことが心配です。トマトスライスとかどうですか?」
フードをすすめて嫌われないか心配。そんな初心者さんにも使えるテクニックなので、ぜひ試してみてください。
フードの提案がうまくいっても、マナーが伴わなければ逆効果です。特に意識したい3つのポイントを見ていきましょう。
フードをすすめる際は、食べやすさも大切です。
一口で食べられるものやソースが飛び散りにくいものなど、食べやすさまで考えられると、他のキャストとはひと味違う提案ができます。
特にスーツ姿のお客様には、汚れやすいメニューを避ける気配りが喜ばれるでしょう。
「一口サイズだから食べやすいですよ」
「こちら、切り分けてお持ちしましょうか」
といったひと言も、丁寧な印象につながります。
揚げ物や味の濃いメニューは満足感がある反面、口元や指先の汚れを気にするお客様もいます。食後に新しいおしぼりやガム、ミントタブレットを差し出すなど、さり気ない気遣いを忘れないようにしましょう。
フードをすすめたあとまで気配りができると、接客全体の印象もぐっと良くなります。
意外と忘れやすいのが、在庫状況の確認です。
せっかくおすすめしても、「品切れでした」ではお客様もがっかりします。その日の在庫や、時間がかかるメニューは、事前に黒服に確認しておくと安心です。
フードに強いキャストは、こうした裏側の情報まできちんと押さえています。
フードはお酒を楽しむ場を盛り上げるだけでなく、客単価アップにもつながる大切なアイテムです。
さらに、お客様に「キャストから気にかけてもらっている」と感じてもらいやすく、満足度を高めるきっかけにもなります。
お客様に合わせたメニュー選びと、さり気ないおねだりフレーズを組み合わせれば、押しつけ感も薄れるでしょう。取り入れやすいものから試してみてくださいね。